大分日が暮れ、海は夕焼け色に染まった。
水平線の向こうに、太陽は帰って行った。
海斗と話すことはあまりなかったけれど、海斗は私より1つ年下の大学2年生だということが分かった。
年下のクセに、生意気!
海斗は、私が1つ年上だと分かると、敬語を使い始めた。
それがまた素っ気無くて、何故だか余計生意気に感じる。
まだ、普通に話してくれた方がましだ。
「お疲れさん!遊んできていいぞ!」
今日の仕事を終えた私たちに、勝連さんは自由時間をくれた。
はしゃいで飛び出していく男の子と、女の子を見た。
海斗の他に、私と年の近い子たちがいたらしい。
ずっと下で働いていたから、気付かなかった。
ガキじゃあるまいし…と、私は砂浜に腰を下ろした。
肌が真っ黒になっていることに気付き、とても驚いた。
もっと強力な日焼け止めを買ってこなきゃ、だめだな。
人と絡むのは、面倒くさい。
面倒というか、美由に裏切られてから、人とつるまなくなっていた。
でも、何だか今は寂しくて、生意気な海斗でさえも恋しく思えた。
海斗はどこかへ行ってしまったらしく、姿が見当たらなかった。
あいつ、ガキだしな。
海で遊んでるのかも。

