最後の夜は、海斗に抱かれた。

何度も名前を呼ばれ、何度も『愛してる』と言ってくれた。



「しばらく寂しいけど、頑張ろうな。」



海斗のその言葉に、私はゆっくりと頷いた。



「海斗、大好きだよ。」

「俺も、大好き……」



その日の夜は、海斗と何度もひとつになった。




そして、別れの日はやって来た。

雫も、駅まで見送りに来てくれた。


駅に来るまでは、真帆ちゃん、千帆ちゃん、美帆ちゃんに泣きつかれて大変だった。

でも、かわいくて仕方がなかった。

私は涼子さんにお礼を言い、かわいい3姉妹に『また来るからね』と言って、家を出た。



「ここみはもう家族だからなぁ、またいつでも遊びに来いよぉ…!」



電車を待っている間、俊兄が泣きそうな顔で言った。

私は、笑いながら頷いた。


「また空と二段ベッドで寝んのかよ。」


海斗が嫌そうな顔をしながら言った。

でも、何だか嬉しそうだ。


「いいじゃん。お前はここみが寝てたところで寝れば!」



空がそう言うと、海斗はニヤけた。

もう、海斗ってば。