「なぁ、知ってる?」


海斗はそう言って、ポケットからあるものを取り出した。

それは星の砂が入った、お守り袋だった。


海斗は、星空を見上げながら言った。


「星の砂を7つ集めて、海に投げると幸せになるんだぜ。」


そう言って、海斗は星の砂を私の手の上へ落とした。


そして、もうひとつ。

私の手の上に、何かが落ちた。


それは、指輪だった。

シルバーのリングが、私の手の中で、7つの星の砂と共に輝く。


私は、海斗を見た。


海斗は、私の涙を拭いながら、真剣な表情で言った。

その表情に、ドキッとしてしまう。


海斗は右腕を私の肩にまわし、涙を拭っていた手で、私の左手を握った。



「絶対にお前を迎えに行く。もう少し、待っていてくれるか?」



私は、何度も頷いた。

涙がどんどん溢れてきて、海斗の顔が見れなかった。


海斗が握っていた手から、ひやっとした感触がした。

見ると、さっきまで私の手の中にあった指輪が、左手の薬指で輝いていた。