「海斗の話、聞きたい。」
私より、背がうんと高い海斗。
私は海斗を見上げながら言った。
海斗は乱れた髪をかきあげながら、優しい顔で微笑んだ。
そして、私にアユミさんとの過去を全て話した。
不器用で、まとまりのない話でも、気持ちがよく伝わってきた。
海斗の愛が寛大で、涙が溢れた。
そんな私の震える肩に手を回しながら、海斗はただ話した。
海斗は、私そのものをしっかりと愛してくれていた。
私は、海斗を信じ切れていなかった自分を、ものすごく恥じた。
海斗は言うんだ。
海はやっぱり俺の味方だ、って。
恋はやっぱり優しいものだ、って。
私は優しい気持ちになって、海斗の肩に頭をくっつけた。
私たち2人を見ているのは、やっぱり星と月だけだった。

