「どうしてこの仕事のこと、言ってくれなかったの?」
…そう言いたいのに、声が出ない。
静くんのもとへ駆け寄ることも出来ない。
じっと、私の目を見て歩いてくるから。
彼の瞳にとらわれた私はまるで、魔法にかけられたように
彼がセットの中へ入るまで自然と彼の姿を追いかけた。
――――……っ!
でもその先には、
「よろしくね、静くん」
彼に対して私と同じ気持ちを抱くまのかちゃん。
「………。」
微笑みをかけたまのかちゃんに静くんは何も応えずに、
「それじゃあ撮影しまーす。」
カメラマンさんの一言を合図に
彼女の腰を引き寄せた―――…

