ブーッブーッ…
私の携帯が鳴る…
『風磨かな…』
風磨とは中学時代からの友人で
私のとても大切な人。
話があって、他の男の子とは違う彼の不思議な魅力。
“すき”とは一度も声に出した事はない。
きっと、言ってしまったら終わりだから…


「もしもし?俺。忙しかった?」

「んーっ、そんな事ないよ。どうしたの?」

「いや別に用はないけど。笑だめ?」

『彼女と上手くいってないのかな…』

「ううん。いいよ。久しぶりでビックリしただけだよ」

「ねー、会えない?」

『ほら、きた。断れないのが悔しいの。私だって会いたいから。こんな形は嫌だ。嫌だ。嫌なんだ。』

「彼女は〜?」
「別れた〜〜」
「そうだったの、うん、いいよ。今からでいい?」
「おう、今から迎え行くわ」

また、駄目と言えなかった。
また、風磨に言えなかった。
本当はこんなの嫌だ。

だから言うんだ。今日こそ言うんだ。

『君がすき』