「そんなに私のこと好きなんですか?」
「あぁ、好きだ。意地悪してでも振り向かせたくて、彼氏とデートしてきた翌日には大人気なく八つ当たりしてしまうほどお前に心を囚われているよ」
肩にあった男の顔がグイと目の前にあらわれて、熱い眼差しで見つめてくる。
そして、頬に添えられる熱も持った大きな手に導かれるように唇を重ねていた。
触れるキスからその先に進んでもいいのか確かめるように何度も唇を啄ばみ、引き寄せた私の体をぎゅっと抱きしめられ、甘く漏れる吐息。
薄く開いた唇を待ってたかのように差し込んでくる舌を引き金に遠慮なく私を翻弄していく。
甘く舌に噛みつくようなキス
そうかと思うと焦れったくなぞっていく舌
そして、急に荒々しくなるキス
唇がジンジンして、息苦しいのに欲情を孕んだ瞳は私を離さない。
潤んだ瞳で訴えても、優しく頭を撫で滲む涙を指先で拭っていくだけ…
苦しくて辛いのか、気持ちよすぎて辛いのかわからなくなった頃、やっと解放され崩れる体を彼が支えてくれた。
彼の胸が荒く上下して乱れている。
夢中になってキスしてくれたのだと思うと、愛しくてたまらない。
思わず、自ら彼の唇にチュッと軽いキスをしていた。



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