「そうだよ…じんくん、おねぇちゃんのこときらいになったんでしょう?」
「そんなこと言ってない…」
子供にムキになる店長。
「おねぇちゃん、ウルウルしてたのに?」
店長の顔をまじまじと見つめる新ちゃんは子供らしく疑問をぶつけてくる。
それ以上余計なことを言わないように口を閉じてもらおう。
「しんくん、ウルウルしてないよ」
「えー、僕、よしよししたよ」
「…うん…少しだけ悲しかっただけだよ。でも、新ちゃんからいちごもらったから元気になっちゃった」
「僕、いいことしたの?」
「うん…ありがとう」
ぎゅっと抱きしめたまま、新ちゃんの頭をいい子いい子と撫でてあげる。
背中に刺さる痛い視線を無視していたら、私達の間を引き剥がしにかかる。
「店長…やめてください。子供に何するんですか?」
新ちゃんを落とさないように抱き直した。
「じんくん、こわい」
顔を胸に埋めてくる新ちゃん。
「こら、新…子供ぶるな」
「何言ってるんですか?新ちゃんは子供ですよ」
イラつく男は、カウンターの向こうで観戦している夫婦に視線を投げかける。
「大輔さん、新の奴、なんとかしてくだ
い」



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