「なに、それ?一緒にコーヒーってなんの誘いよ。そんなことで気に食わなくて囲うわけ?」

俺以外の奴になびくなよ…

店長のせつない声が思い出される。

「そうじゃないわよね。佐賀さんに誘われて凛ちゃんはなんて答えたの?」

なんだったけ?
「深く考えなく『はい』って返事したかもです」

「凛ちゃんがフリーになるの待ってたのに、横から出てきた男に店長は焦ったのよ。一緒にコーヒーをって言葉に深い意味がなくてもあの人ならお泊りした後のモーニングコーヒーかって勘ぐって慌てたのね……面白いわ」

あはは…
佐和さんは見てたかのように言うので笑うしかない。

「あーなるほどね。あの人、まともな恋愛してきてないから凛ちゃんがまた、自分以外を好きになるなんてたえられないか⁈」

「あの…さっきから気になる言葉が幾つか出てきてるんですけど、質問しても?」

「いいわよ」

「おふたりは店長とどんなご関係ですか?」

「あれ?言わなかった?佐和さんは幼馴染で私は、高校の同級生よ」

「では、まともな恋愛をしてないっていうのは?」

「ほら、あの見かけでしょう⁈来るもの拒まずで自分からってないのよ。凛ちゃんがはじめてなのよね」