かすれた甘い声が耳元に心地よく響く。

仁の肩にしがみつき

「……私でいいの？」

好きだといわれても聞かずにはいられない。

からかうように私の頭を撫でる仁。

「なんだ？不安なのか？」

不安というより、突然すぎて思考が追いつかない。

片方の口角をクイっとあげた仁の手が、私の顎を掴みと妖しく笑ったと思ったら唇に触れるキスをする。

そして、チュッと音をたて離れ

「…不安を感じる暇がないほど毎日愛してやるからそばにいろ」

鼻先が触れる距離で鋭く見つめてきて恐ろしく感じるのに、惹きつけられて目が離せない。

そしてダメ出しとばかりに誘惑するような甘さを含んだ声色で命令してくる。

「俺に一生の愛を誓え」

「……はい」

私の答えに満足した男は、妖艶に微笑み再び甘いキスをしてきた。

それは、先ほどの触れるキスとはまた違い、何度も唇を喰み、甘くかすれた吐息がお互いのくちから漏れ出る甘いキス。

失恋したばかりの私の心の中にズカズカと踏み込んできて、アッという間に私の心を捉えてしまったこの人からは、どう足搔いても逃げられない。

イヤ…
もう、離れられないのだ。

心も体も仁無しじゃいられない。