「先生」

急に後ろから呼び止められた。
振り返ると、華奢な男の子が立っている。

180センチ近くある身長に
長く生えた手足
線の細い顔立ちは中性的で美しい。

「どうしたの?ぼーっとして」

少しかがんで私の顔を覗き込む綺麗な顔。

「考え事」
子犬のような目で見られ、思わず顔をそらす。

「へー。どこ行くの?」


私はポケットからタバコを取り出した。