「なんだ、そんなことか」 ついおかしくなって笑い出す。たいした話ではない。よくある《言い伝え》だ。 だが、ちなつは真剣な面持ちで俯いている。この時代、この小さな村だからこそ信心深く人々の中に植え付けられているのだろう。 「気にするな、ちなつは何も心配はない。…ならば、我がその『竜神』とやらに問うてみよう」