「…えん、…ま?」 その形のいい唇が、弱々しくも我が名を吐き出した。 「―――――っ!」 声にならない。 千夏を、ようやく取り戻した――。 そう感じて、もうどこへもやらぬとばかりに強く、強く 抱き締めた――。