視線の先では、大きく広げられた、シュウの両手がワタシを待っていた。 あと一歩でその腕に届くところまで来たとき――。 「駄目よ!千夏!!」 よく知っているその声に驚いて見やれば、そこにはいるはずのない人がいた。 「お母さ…ん」 どうして? そう――。 そこには、 行きを切らし、額から汗を滝のように流してこちらに向かってくる必死な形相の母がいた。