「待たせたねッ、千夏」 …………かなり軽い感じの愁は、閻魔とまるでそっくりだというのに、中身はまったく違うのだとつくづく思った。 「誰も待ってなんかないし!」 太股に触れるヤツの二の腕から後退(あとずさ)りしながら、閻魔をチラリと横目で見る。 ーー閻魔の周りには、案の定黒いオーラが漂っている…。 「おい」 そして、一言。 「『我の花嫁』に触るな」 そしてさらに、部屋の中が北極か南極に移動したのではないかと思えるほど温度が下降した。