中野先生のほんのり淡いピンク色の唇が微笑んでいる。 ドアの向こうから現われた『転校生』を見て、教室中の女子が黄色い声をあげて色めきだった。 『転校生』は、確かに男子だった。 彼は中野先生の隣で、簡単な自己紹介をした。 「宮下愁(しゅう)ですーー」 「………?!」 机の下で握られていたワタシの拳は、じっとりと汗をかいていた。