「ーーあら?ほら、あれ、そうじゃない?!パパ」 母が浮き足だった甲高い声で叫んだ。 母が指差す方向に赤い屋根の建物が見えた。水色の塗料でアルファベットの文字が、扉の上に描かれている。 「ああ、あれみたいだな」 父がかなりホッとした様子で、額からこめかみにかけて流れ落ちる汗を手の甲で拭きながら笑った。 「わあい!」 ワタシは万歳をした格好のまま、小道の前方ーーペンション目指して走り出した。