――――0センチメートル―――― 後ろから…詠を抱きしめる。 強く…さっき…詠がしてくれたみたいに… 「んだよ…帰ったんじゃねぇのかよ… (本当は気づいてた…逃げる…振られ るって……なのに、戻ってきた… 何のつもりかなんて、もうわかんねぇ)」 「………………」 私は少し黙る…。 だって、そんな声で言われたら… 言おうとしたこと、忘れるよ… 詠の方がバカだよ…私の気持ちに 気づかないんだから…