「茜っ♩おはよ!」

犬がよってきた。

うん、もう尻尾が見えるよ。


「あーおはよー」

「あれ、元気ない?」


浩太に全て見透かされている気がした。
だけど元気がない理由なんて私にはない。


「そんなことないよ?」



今はむしろ何も考えてないや。


無心ってやつだね。





「そ?ならいいんだけど!そーいえばさ、昨日話した繁華街の女の子!
聞いた話なんだけど治癒の能力があるらしいよ!」


自分の眉が片方上がったことに気づく。

顔に出さないようにしてるけれど、頭は混乱していた。

え?誰かに見られてたか?!




「え、治癒の能力?どーゆーこと?」


あくまで何も知らないことを演じないと。