「西峰 野乃(ニシミネノノ)です!好きな食べ物はいちご、運動とか割と好きです。よろしくお願いします」
ぱちぱちぱち。
野乃ちゃんの次は、―私だ。
かたん、と立ち、前に出て、チョークを持つ。
背中にざわめきを感じながら黒板に文字を書いていく。
『猫村菜音です。ある事情で、声が出ません。絵をかくことが好きです。よろしくお願いします』
チョークをおいて席に戻ろうと振り返る。
それまで、わくわくしたようなざわめきに包まれていた教室が、しんと静まり返っている。
―仕方ないよ。…仕方ない。早く席に戻ろう。
と、そのとき。
ぱちぱちぱち。
大きな音が静かな教室に鳴り響く。
思わずびっくりして音の主のほうをみる。

