―精霊の祖の恋物語― 前編





「そんな事は…ない。」


プイッと母さんから目を逸らしたリリー。



「もう、リリーさん。

 素直で可愛いわよ?」


「かっ可愛い!?


 そっそんな我は…

 可愛くなんかないわっ!?」


母さんの言葉に動揺しながら、

顔を真っ赤にして

バッと母さんの方を向き否定したリリー。



「えぇー。そうかしら?

 ねえ、貴方もそう思うでしょ?」


隣にいる父さんに話を振ると、

父さんは…



「ああ、そうだな。可愛いよ。

 娘にしたいくらいにな?」


と、リリーを見ながら

とんでもない発言をした。