―精霊の祖の恋物語― 前編





「ごめんなさい。

 驚かせるつもりじゃ

 なかったのだけど……。」



「おっ驚いてはおらぬ!」



顔をバッと上げて、

母さんと向き合ったリリー。



「そう?リリーさん?」



母さんは、ニコニコと

なんか圧を掛けたような笑みで

問いかける。


それにリリーはビクッとなって

正直に答える。



「…っ…少し驚きました……。」


「リリーさんは素直なのね。」


先程の圧は消えてニコニコと微笑んだ。



母さん…こえーよ。