―精霊の祖の恋物語― 前編





…って、リリー。


そんな可愛い笑顔見せられたら、

いいって言いたくなるじゃねぇか?



でも今までの記憶か…



幼い頃…そんなの恥ずかしくて

見せられるわけないだろッ。



うん。



今すぐにでも、

やっぱダメって言おうと思ったのに…



お願いという目で見つめられる。



……っ…。

反則っ……。可愛いっ……。



「…少しだけだぞ?」



…言ってしまった。



「本当に…良いのか!?」


目をキラキラさせて聞いて来る。


「あぁ。少し「リヒト!!」」


俺の声を遮って、すごく嬉しそうな顔で

名前を呼ぶ。


遮られたのは…許そう。可愛いから。