「さっきの話の続きなんだけれど…
私が幼い頃、
リリーさんに会った事があるの。
覚えてないかもしれないけど…
私にとっては凄く衝撃的だったから
覚えているの。」
リリーは目を瞑った。
しばらく経つと…
パッと目を開ける。
その頃には風の精霊の姿だった。
「…思い出した。」
「リリー?今、何をやったんだ?」
「記憶を辿っておっただけじゃよ?」
「記憶?」
俺が聞き返すと、説明してくれた。
「ふむ。
自分の中の記憶を覗いておったんじゃ。
風を使っての。
他の者の記憶も辿れるんじゃよ?
まあ、使わんがの。どうじゃっ?
リヒトの記憶を…
ちと覗いて見てもいいかの。」

