部屋が静かになると…


初めに母さんがハッとした顔をして、

リリーに微笑みながら言う。



「名前はリリーって言うのね。

 よくリヒトから聞いていたわ。

 貴方のこと。それに有難う。

 私が小さい頃。貴方に……


 なんて呼べばいいかしら?」



問いかけられたので、

どうすればいいのか分からないのか

俺の方を見た。



俺が微笑むと。



頷いて、母さんの方を向いて、


「リリーって呼んでください。」


と微笑みながらリリーは言った。



「リリーさんでいいかしら?」


「はい。」