―精霊の祖の恋物語― 前編





「だって、泣いた跡もあったし…


 なんか顔も赤くして、

 部屋の隅行ったら普通…


 勘違いしちゃうでしょ?」


「その前に確認するだろっ!!」


「ごめん、ごめん。

 でも怪我なかったでしょ?」



アハハと呑気に笑いながら

謝ってくる姉貴。



絶対、悪いと思ってないなコイツ。


「腕折れると思ったぞ。

 氷を纏った足で蹴りとか…


 金属バットか?それ以上に痛いんだよ!?


 弟に向かって能力で強化した足で

 本気で蹴るとか有り得ないだろ!?


 一回俺もやってやろうか?」


「いやぁ。ごめんって。


 怪我がないならよかった。


 しかし、リヒト君は頑丈だなぁ。

 さすがあたしの弟だね♪」


椅子から立ち上がり、俺のところにくる。


ニコニコしながら俺の背中を

バシバシ叩いて、

〝さすが〟を連呼してくる姉貴。