―精霊の祖の恋物語― 前編





「……違う…。」


リリーはボソッと小さい声で言った。



その言葉を聞いて、リヒトは驚いたが

まだ聞きたいことがある為、

優しく問いかける。



「じゃあ、いろんな人と話がしてみたい。

 とかは思わないのか?」



すると……。



「……した…い…。けどできない…。」



リリーが素直になってくれて、

リヒトは安心や嬉しさで笑みを零した。



「素直になったじゃん?」



そう言った途端、

リリーは目に涙を溜め始めた。



「うぅ……。」