―精霊の祖の恋物語― 前編





「それは……。」


リリーは戸惑いの表情を露わにしはじめた。



「それにさっき、

 お前自分で言ってただろ?

 あれは本心だと俺は思う。


 俺に会いたかったって

 言ってくれたよな?


 …その言葉って嘘だったのか?」



リヒトの辛そうに話す様子に

自分はどうすればいいか分からなくなる。






どうすれば……。






伏せた目を上に向けリヒトを見たとき…

リヒトは優しく微笑んでいた。