―精霊の祖の恋物語― 前編




「死にたいって思ったこと…

 あったんだろ?

 普通、楽しかったら…幸せだったら…

 そんなこと思わないよな?」



「嘘なの‼あの言葉はっ‼」



顔をバッと上げて、



“もう止めてっ”



と訴えるようにリリーは必死に叫ぶ。




「じゃあ最後だ。

 なぜ俺に会いに来たんだ?


 『あの時はもう会えない』


 みたいな顔していただろ?」




リヒトはガシッとリリーの肩を掴み

しっかりとリリーの目を見て、

真剣に聞く。




リリーはリヒトが、

真っ直ぐ自分の目を見て

真剣に聞いて来るからか、

反対できなくなった。