―精霊の祖の恋物語― 前編




「名前を教えてくれるよね?」


「名…前…………。」


少し顔色を悪くした彼女。



その様子が気になるが話を続けるリヒト。


「言えなかったのには理由がある。

 名前を言えなかった理由も

 教えてくれると嬉しいな?」


ニコッと微笑みながらリヒトは言う。



言いにくそうだったが、

消えそうな声で彼女は言った。


「えっと…の……リリー…じゃ。」


少しモジモジしている。


「リリー?」


「…さっき言っておっただろ?

 あの愚か者が!」


今度はギャーギャーと大きな声で言う。