―精霊の祖の恋物語― 前編





……でも、彼をこんなふうにしてしまった。

巻き込んでしまった。


だとしても、彼はこう言うだろう。


“俺は、リリーと一緒にいれる。

リリーを孤独にしたくなかったから

いいよ。なんともない。”


と言ってくれるんだろう…。


さっきも言ってくれたから……。



でも…やっぱり謝りたい。と思ったリリーは

口を開く。


「ごめんなさい。リヒト君…。

 私…巻き込んじゃった。」


そして、リヒトはやっぱりこう言った。


「リリーを絶対に孤独にしないと

 決めていたから、気にすんな。


 元々。こうしてくれと頼み込む

 つもりだったしな……。


 一生、傍にいるって言っても

 人間の場合、あっという間だ。


 だから…こうなってくれて良かったと

 まで思っている。


 別に、自分の人生が狂ったなんて

 思っていないし、

 巻き込まれたなんて一ミリも

 思ってない。


 相当、リリーにこの時点で溺れてるな。

 初めてだよ。こんなに他の人のことを

 思って話すのは。」


リリーを抱き締め直して、

リヒトはリリーの首元に顔を埋めた。