―精霊の祖の恋物語― 前編





リヒトは、微笑みながら私を見る。


ここで好きと言ったら

どうなるのだろうか?



私を唯一、普通の女性として

見てくれている彼が……。


そして、私の今まで抱えてきた思いを

受け止めてくれた…。


終いには、過去の話をしたとしても、

怯えることなど一切なく、

逆に私に対しての励ましの言葉。

心配してくれる彼。



リリーは絶対に

リヒトが欲しいと思ってしまう。


今の時点で、もう…そうなっている。



――――――――――――
――――――


リヒト君が、傍にいて欲しいと……。


でもッ、そうなるとリヒト君が…


人間として

いられなくなるかもしれない。


そんなの、嫌ッ。


さっきだって、特別な思いを抱いたら

リヒト君の前から消えるって心に決めたッ。




…だけど……。


一緒に……ずっと傍にいて欲しい。


どうすればいいですか……?