そんな中、リヒトはリリーの目を
しっかりと見つめて、話を続ける。
「俺…もしかしたら……いや、違う。
…俺、本当に…リリーの事が…好きだ。
好きなんだって、今気づいた。
この気持ちの正体も…
やっと自分で探し当てることができた。」
そう言い終わると、リリーを先程よりも
更に強く抱きしめた。
一方…リリーは呆然としていた。
「リリー。」
リヒトがそう呟くと
リリーはハッとなって、返事を返した。
「はいッ。」
またリヒトはリリーを真剣な目で
見つめる。
「リリーって俺のこと。
どう思ってるんだ?」
「ッ……。リヒトッ…。私はッ……。」
リリーは、気づいてしまった。
リヒトが、自分のことを好きだと
言ってくれた時に自覚した。
リヒトに対しての気持ちを…想いを。