「分かったから…。もういいよ。」


「ありがとう…ございます…。」


言い終わるとペコッと頭を下げた。


「それで、君はこんな格好でいて…

 寒くはないの?」


「大丈夫…です。」


よく見ると小さい手が震えて、

悴んでいる。


靴はブーツだったが、

ショートブーツだった為、

足もかなり出ている。


見ていてとも寒そうに思えた。


「嘘つかなくてもいい!!冬だろ!?

 こんな薄い服装じゃあ寒いに決まってる…。

 やっぱり、僕のコートを貸すから!!」



とコートを脱ごうとしたが…



「私は…大丈夫なんです。

 “人間”では…

 ありません…から……。」


彼女は俯き、両手を握った。