リリーはその後、無言で歩き出す。


それにリヒトもついて行く。




_リリーの様子が変だ。


そう感じたリヒトは、

リリーに声をかける。


「一人で抱え込むなんてことは、

 しないでくれ。」


その言葉にも、

リリーは無言を突き通す。


「どうして黙っているんだ…?」


リヒトがそう問いかけると、

リリーは立ち止まる。

リヒトもリリーに合わせて足を止めた。


少し無言が続くと、

リリーはボソボソと話し出した。


「私は、怖いんです。

 自分が……。


 今。先ほどリヒト君を…

 あれしそうになりました。」


「あれってなんだ?」