―精霊の祖の恋物語― 前編




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2人の間に無言が成り立つ。


暫くすると、リヒトが口を開いた。


「さっきリリーが聞いて来ただろ?

 こんな世界でよかったと思った事は

 何かって…。」


「はい。でもリヒト君が言いたく

 ないのであれば……

 言わなくてもいいですよ?」


「いや、本当は言わなくていいと

 思ったけど…やっぱり言っておく。


 言わないと後悔する予感が

 何となくしたからな?」




「えっ…?」

リリーは“後悔”という言葉に反応した。


その反応に気づくことなく、

リヒトは話を続ける。


「俺がよかったと思ったことは…。


 リリーとこうして話すことが

 出来たってことだな…。」

そして、リリーの方を見つめる。