少女は、口籠った。


何故だろうと思っていると…


ふとリヒトは気づく。


彼女は冬だというのに

薄地の白いワンピースしか

着ていない事に気づいたリヒト。


これでは寒いと思い、

自分が来ていたコートを脱ぎ

彼女に着せようと進むと……。


「だめっ!!近寄らないで!!」


先程までの弱々しい声からは

想像できない程の大きい声が

彼女の口から発せられる。



「私に近づくと…関係を持つと……

大変な事に巻き込まれる……。一生……」


「一生?」


「近づかないでください…。

 お願いします…。お願いです…。」


彼女が怯え、震えて言うため

リヒトは少しショックを受けながらも

了承して、コートをまた羽織る。