「なんか…まずいこと

 聞いてしまいましたか?


 リヒト君……?」


リヒトの顔を見上げて、

首を傾けながらリリーは聞いた。



ポカンとしていたリヒトだが…

ハッと気を取り戻した。


そして、バッとリリーの方に顔を向ける。


「いや、まずいことでは…ない。」


「今の間は何ですか?」


「気のせいだ。気のせい…。」


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リヒトは、心臓をバクバクさせた。


言えるわけない……と。


でも、こう思っている自分にも

驚いている…


どうしてこういう気持ちになるのか、

分からない。


自分のリリーに対しての

気持ちはいったい何だろうか?



何故、リリーとは話し難いのか?


それにいつの間にか

リリーを抱きしめてしまっている。