リヒトを涙目で見ながら、


今まで溜めていた

思いや感情をリリーはまだ暴走させる。


「私がッ…

 こんな争わなければ…

 戦わなければならない世界を…

 つくって…しまったんです。」


頬に涙が伝う。



そんなリリーのところに、

リヒトは近づいて

リリーの涙をリヒトの自分の手で拭い取り、

自分の腕の中へと抱きしめた。


そして…こう呟いた。


「俺は、リリーだけのせいではないと思う。

 リリーだけが悪いわけじゃない。


 …追い詰めた奴らも悪いと俺は思う。


 そこまで、リリーを追い詰めた奴らにも

 責任があると俺は…感じる。


 でも、俺はこんな世界でも、

 よかったと思えることがある。


 それに…これは俺に課せられた運命だと

 感じている。


 これでよかったんだよ。


 この世界は…。こういう世界で…。


 もともと定められた運命として

 思えばいい。…なッ?」