―精霊の祖の恋物語― 前編





「どうだろうな…。

 初めの頃はきつかったが、

 もう慣れたといった感じか?

 
 そう言えば…明日は平日だったか……


 うわっ…今日寝れねぇじゃん。


 寝不足の中、学校とか…有り得ねぇ…。」


リヒトは嫌そうな顔をしながら、

頭を抱えた。


そんな姿にリリーは何故か、怒り出した。



「私はッ。真剣に聞いているんですッ!!


 私が生み出した精霊たちのせいで…

 悪霊や邪霊が、近づいてきた…。


 いや、やって来た…。


 悪魔や魔族、魔神…の奴らが住んでいる…

 地獄から……。


 私がッ。孤独に耐え続けて、

 精霊たちを生み出していなければ…。

 こんな世界になっていることも

 なかったのにっ…。


 リヒトだって普通の人間でいられたし…

 
 痛い思いも、こうして寝る時間がない…

 なんてことも…なかったんですッ。」