―精霊の祖の恋物語― 前編





とりあえず、家を出て見回りを始める。


リヒトは気配を察しながら、歩いていく。


そして、その隣にはリリーがいる。



暫く、黙って歩いていると…

リリーが喋り始めた。


「あの…。リヒト君って、

 こういうお仕事ってどう思いますか?


 朝まで見回るのは…嫌だと思ったことは、

 ないんですか?


 夜も、ろくに寝ることなく

 次の日も仕事…そんな事……

 やっていて、どう思いますか?」



言い終わるとリリーは、

月明かりによって輝いている

リヒトのブルーの目を見つめる。