―精霊の祖の恋物語― 前編






「そうなんだな…。

 でもさ…信じることも大切だと

 俺は思うけど…。


 精霊たちのことをリリーが、

 一人で決めたりするんじゃなくてさ、

 他の精霊達とも意見交換とかしたら、

 もっと良くなるというか…


 絆が深まる?…とか。」


リリーはリヒトの話を聞いて微笑むが、

話す頃には悲しそうな目をしていた。



「そうですね…

 それがいいはずですよね……。


 でも、私は避けてきたんです…。


 今、話したところで聞き入れてくれるか

 が問題になってしまいますね…。」


リヒトは不機嫌な様子で、

リリーを見ながら言った。


「リリーの話を聞き入れないとなると…

 むかつくな……。

 リリーはこんな必死に考えてるだろ?」