―精霊の祖の恋物語― 前編





「いえ。何故…だかわかりませんが…

 なんか変なんです。空気が…。

 淀んでいる気がするんです。


 先ほどの精霊も無理やり

 暴れさせられているように

 感じました。本当は助けたい気持ちも

 ありましたが…


 あの時は、本当に許せない思いで

 いっぱいで、それに……。」


「それに?」



「助けたとしても…あの精霊は……

 違反をしたので消滅させられる運命

 だったんです……。」


リリーは苦しそうな辛いような顔を

させてそう言った。