―精霊の祖の恋物語― 前編





「我は…自分の悪口なら、

 いくら言われても良い。


 慣れておるからな。


 でもの……

 リヒトの悪口を言うのは許せん。」


リリーは火の精霊の姿になり、

リヒトを庇うようにして前に出ると

両手を広げた。


リリーはかなり怒ったようで、

周りがメラメラと燃えている。


先ほどの精霊と比べて、

比べものにならない程の強大な力だった。


それを目の前で感じている能力者は、

目を見開いて信じられないという顔で

リリーを見ていた。



何を驚いているんだと

リヒトは思っていると…

能力者の次の言葉で理由が分かった。