「リヒトッ…よかったッ……グスッ…。」


ギューともっと強く抱き着いて、

俺の胸に顔を埋めた。


俺はリリーを抱き返して、

背中を擦った。


「助けてくれたのか…。ありがとうな。」


お礼を言うと…


リリーはコクンと頷いて、顔を上げた。


俺と目が合う。



「リヒトがいなくなるのは…

 何といえばよいのかの……

 嫌だった。死んでほしくないと思ったら、

 体が勝手に動いておった。」


涙を流しながらリリーはそう言った。