―精霊の祖の恋物語― 前編





精霊が、先ほどよりもさらに暴れだした。



俺たちの攻撃を受けて弱くなっていた

気がしたのだが、いきなり初めの頃と

比べて更に力が強くなっている。



……なんでだ?




そう考え、立ち尽くしていると、

父さんの声が聞こえてきた。



見ると、父さんが怪我をして倒れている。



姉さんは、足を震わせて

怯えているように見えた。



俺は、ボーっと精霊を見ていた。


すると、暴れている炎の精霊と目が合う。



その精霊は、今度は俺に攻撃を

仕掛けようとしてきた。