俺達が来たのを知った能力者たちが、

数人こっちに来た。


一度リリーの方を見ると、

父さんの方に目を向ける。


一人が声をかけてきた。


「シュテルネン家の方たちですね?

 お待ちしておりました。

 機関から聞いておりますが…。

 この子は?」


来た人、全員がリリーの方を見た。


リリーは、

俺の後ろに隠れて俺の服の袖を握った。


俺の方を見て助けを求めている。


俺は、微笑んでリリーの頭を撫でると、

その人たちと向き合う。


父さんは何も言うことなく

黙って俺を見ている。