―精霊の祖の恋物語― 前編





「あの聞きたいことがあるんですけど…。」


俺の服を握りしめて、

リリーは小さい声で聞いてくる。


「なんだ?」


返事をすると…


「どうして…

 私とお話をしてくれるんですか?

 呪われた最悪の精霊ですよ?

 …本当に…。」


少し涙声でリリーは話し出した。


「そんなの関係ないと思うが…?」


「えっ…?」


俺の言葉に目を見開いた。