リリーは、しっかりと抱き着いてきた。
俺も負けずに抱きしめていると…
リリーが話し出した。
「リヒト君。…ありがとう。」
「ん?何が?」
「私を普通の女性として
みてくれていることです。
女の子と言ってましたけど…
私。こう見えて、何年か忘れるほど
生きてきたんですよ?
女の子じゃないです。…失礼です。」
「ごめん。」
「…いえ。大丈夫です。嬉しいです。
でも…やっぱり
リヒト君は変な人ですね。」
微笑みながら、リリーは言った。
変な人って…。
「いやっ、その言い方は誤解を招くぞ?」
「そうですか?」
「そうだよ。」

