リリーは「キャッ。」と声を上げるが、
震えた手で俺にしがみ付く。
「リリーが自分から行くと
決めたなら行けばいい。
俺が傍にいるからな。」
リリーは、小さい声でこう言った。
「はい。…私は…リヒト君を…
守るために…行きます。」
「それは心強いけどな、
俺にも守らせてくれ…。
リリーを…。」
「えっ?」
「確かに、俺はリリーと比べると
はるかに弱いけど…
リリーを守りたいって思いは強いから、
だから、俺にもリリーを守らせてくれ。
男なんだし…
リリーは…か弱い女の子だろ?」
「クスッ……分かりました。
守ってくださいね。リヒト君。」

